岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2022年 10月号

ダム湖畔に立つ補強土壁 - 多数アンカー式補強土壁工法 -

鬼怒川・湯西川ダム
栃木県の「湯西川ダム」は、鬼怒川や、鬼怒川が合流する利根川の治水と利水のために建設された流域の4つのダムの一つで、なかでも2012年に完成となる最も新しい施設です。最新工法を用いた重力式コンクリートダムで、実打設期間19ヶ月という短期間での施工により、必要とされる機能の実現に迅速に応えることができました。

ダム湖に近接する道路の付け替えでは、貯水位の変動に対する土羽盛土の滑りに配慮して、軽量砕石を中込めに使用した「多数アンカー式補強土壁工法」の採用となりました。

多数アンカー式補強土壁は盛土材の適用範囲が広いため、砕石状の軽量砕石でも適用が可能です。粒度を大きくすると水はけを良くすることができることから、水没が想定される場所での計画に容易に適合させることができます。
また工法原理上の特性により最下段の補強材長を他補強土に比べ抑えることができるため、掘削量の縮減すなわち工期と工費の縮減に貢献できるのも多数アンカー式補強土壁の利点のひとつです。

同補強土壁はダム湖が満水となり自然越流するような際には写真のように補強土壁が水没しますが、道路の利用には全く影響なく、その特性を存分に発揮しています。

工事概要

施主
国土交通省鬼怒川ダム
工事名
統合管理事務所 H30湯西川ダム管理用道路改良工事
施工会社
株式会社浜屋組
商品名
多数アンカー式補強土壁工法 約359m2

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2022年10月号 PDF版

塩害対策無用の擁壁で歩道を再生 - テラグリッド工法-

青森・深浦
青森県の青森市と秋田県は秋田市を結ぶ国道101号は、その延長の8割近くが日本海海岸線沿いにあり、その車窓と夕日の美しいことで「茜の道」とも呼ばれています。
この一部ルート上において、車道から海側に付加的に設置されていた鉄筋コンクリート製の張り出し歩道が塩害により経年劣化、鉄筋がむき出しになるなどして通行止めを余儀なくされていました。  

そこで、コンクリート二次製品を設置する案のほか従来タイプの擁壁など複数案が検討されましたが、塩害対策が別途必要な工法が多いなか、最終的に経済性および塩害対策が不要である点で「テラグリッド工法」が採用となりました。

テラグリッド工法とは、ポリエチレン樹脂の部材をハニカム状に広げ、そのセル(枠)内に現地発生土や砕石を充填しこれを段積みして壁面の役割を果たす「グランドセル」を構築、背面側で盛土補強材の「トリグリッドEX」と連結させて急勾配・髙盛土を可能にした工法です。  同工法は表面に露出する部分が対候性・耐薬品性の高い樹脂材のみであるため塩害対策を必要としないほか、凍結融解の繰り返しによる壁面工の変形が蓄積しにくいことなどが、当地の要件にジャストフィットしました。  また部材が軽量コンパクトなため人力のみで運搬や設置の作業が可能であり、このことも工期と工費の縮減に大きく貢献しています。 

工事概要

施主
青森県西北地域県民局
工事名
繰 第2144 号 国道101 号交通安全対策工事
施工会社
株式会社小角組
商品名
テラグリッド工法
グランドセル(496m2)
トリグリッドEX-40(1,261m2)
トリグリッドEX-60(1,099m2)

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