℃と℉
世界は重さや長さなど様々な単位においてまだまだ統一化が進んでいない。そうした単位のひとつが温度である。
日本では℃(摂氏=セルシウス度)が使われるが、北米などでは℉(華氏=ファーレンハイト度)が非常に根強く残っている。
華氏は日本では全くなじみがないが、換算すると摂氏0℃が華氏32℉、同じく100℃が212℉となる。つまり100対180の割合で目盛りがより細かく、加えて日常的な生活環境においてマイナスで表記することが稀になるためそれ独自の合理性があるのだという。
マイナスの件はなるほどと思う面もあるが、実はそもそも摂氏を提唱したスウェーデンの学者A・セルシウスのアイデアにもマイナスはなかった。沸点を0度、氷点を100度とする今と真逆のカウント方法が採られ、例えば今の「-10℃」なら「110℃」と表記するなど、華氏同様日常でマイナスが生じないことになっていた。
それが何故か彼の死の直後に、摂氏は氷点を0度にすると改定された。凍る方向に増えていく数え方はちょっと変だと、周囲の誰もが思っていたのだろう。しかしそれ故に、冬になると日常的にマイナス表記を目にするようになってしまったのだ。
