徒然月記

岡三リビックの広報誌「岡三マンスリー」の編集者によるコラムです。
徒然なるままに、多ジャンルの様々な事柄に関する雑学的知識が綴られています。

2025年度

日本のツーリズム

いま日本政府は「観光立国」などと銘打って外国人観光客の誘引に躍起になっているが、その一方で海外客のマナーの欠如など観光地化のマイナス面が各地で問題化している。しかしかつては、我々日本人も海外旅行でさんざん旅の恥をかき捨ててきた。そのことは忘れないでおきたい。
 時は1970年代、バブルよりはるか前に、「ジャルパック」などの団体旅行ツアーが始まり、日本の一般大衆は本やテレビでしか知らなかった海外に初めて飛び出したのだったが…

  • 団体列車の気分そのまま、飛行機内で酒盛りして騒ぐ。
  • TPOお構いなしにカメラでパシャパシャ撮りまくる。
  • 札束はたいて高級店で上から目線。
  • ホテル廊下をふんどし一丁などあられもない恰好で徘徊。
  • ナイフフォークがうまく使えないので箸持って来いとレストランに注文。
  • 洋式トイレを使ったことがないので、変な汚し方をする。
  • トイレや洗面台が洋式風呂とひと部屋なホテルで、風呂のお湯を溢れさせて床が水浸し。下階に水漏れする。

当時のツアー客には金と暇はあれど品格に欠けた人もいて、ツアコンはさぞかし胃に穴が開く思いだったろう。

℃と℉

世界は重さや長さなど様々な単位においてまだまだ統一化が進んでいない。そうした単位のひとつが温度である。
日本では℃(摂氏=セルシウス度)が使われるが、北米などでは℉(華氏=ファーレンハイト度)が非常に根強く残っている。
華氏は日本では全くなじみがないが、換算すると摂氏0℃が華氏32℉、同じく100℃が212℉となる。つまり100対180の割合で目盛りがより細かく、加えて日常的な生活環境においてマイナスで表記することが稀になるためそれ独自の合理性があるのだという。

マイナスの件はなるほどと思う面もあるが、実はそもそも摂氏を提唱したスウェーデンの学者A・セルシウスのアイデアにもマイナスはなかった。沸点を0度、氷点を100度とする今と真逆のカウント方法が採られ、例えば今の「-10℃」なら「110℃」と表記するなど、華氏同様日常でマイナスが生じないことになっていた。

それが何故か彼の死の直後に、摂氏は氷点を0度にすると改定された。凍る方向に増えていく数え方はちょっと変だと、周囲の誰もが思っていたのだろう。しかしそれ故に、冬になると日常的にマイナス表記を目にするようになってしまったのだ。

色々おかしい銃社会

アメリカは銃社会。それは、憲法が個人の武装する権利を保証しているからだ。しかし実際問題としてこれが犯罪の温床となっており、州法をはじめ様々な規制が敷かれてはいるものの、色々と問題は多い。

  • 銃器の所持が精神に与える影響など、犯罪抑止に関わる研究は重要だが、こうしたものには公的な補助は下りない。
  • 店で買ったり譲渡を受けた銃器は所有者登録をしなければならないが、アンティーク品や、キットを自作したものはその規制外にあり把握が難しい。
  • 州ごとで銃所持に関する法律が異なるため、気にせず携帯して旅行をするとお縄になる可能性がある。最も取締りの厳しいワシントンDCでは民間人はほぼ武装できない。
  • 早いうちから銃に慣れさせるため、子供用ライフルが普通に販売されている。かわいい多色展開で25,000円~。五歳の誕生日プレゼントでライフルを貰った男の子が誤射する事件も…

銃は開拓者精神の象徴とはいえ、悪用する事件は増加の一途。そろそろ大ナタが必要そうだ。

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