ハイブリッドMP工法は、既設擁壁天端に斜め鉛直方向に打設するマイクロパイルの「引張パイル」と既設擁壁基礎部に鉛直方向に打設する口元補強管付きマイクロパイルの「圧縮パイル」を既設擁壁全面と頭部水平部の張りコンクリートと一体化することで耐震補強を図る工法です。

断面図

平面図
- 工法の属性
- 【機能】 狭隘な住宅地での既設擁壁耐震補強
【用途】 宅地
工法の特長
既設の石積み擁壁を耐震補強。
密集した住宅地の狭隘地でも施工が可能。
引張パイルと圧縮パイルおよび、全面保護張コンクリートによる合理的な補強が可能。
2重管削孔のセンターロッドに変えて「ロストビット」による高速・省力施工が可能。
定着地盤に応じた、削孔径の選択が可能。
材料について
ハイブリッドMP工法の材料は、特殊部品の在庫が常備されている中空ねじボルト(SPボルト)を採用しています。宅地地盤では比較的強固な岩盤が浅い位置にあることはまれなため、本工法では2重管削孔のセンターロッドに変えてロストビットを使った高速施工も選択できます。

芯材(中空転造ねじ:SPボルト)

高速施工用ロストビット

圧縮パイル用口元補強管
削孔径について
ハイブリッドMP工法の「引張パイル」および「圧縮パイル」は、以下の3種類から選択できる。特に定着地盤が軟弱層の場合、可能な限り大きい呼び径を選択する必要があります。
削孔呼び径(mm) | Φ115 | Φ135 | Φ146 |
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ビット底面図 | ![]() |
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ビット底面図 | |
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削孔呼び径(mm) Φ115 |
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削孔呼び径(mm) Φ135 |
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削孔呼び径(mm) Φ146 |
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設計例
工法名 | ハイブリッドMP工法 (Hybrid Micropiling Method) |
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設計ケース | 試行くさび法(地震時:Kh=0.25) |
荷重設定 | 最大土圧角=33°(定着SF≧2.0) |
設計結果 | 圧縮=4.0m、引張=7.5m (Φ135mm×2列@2.0m千鳥) |
断面図 | ![]() |