地すべり被災の県道を軽量盛土で復旧 -EDO-EPS工法-

福島県喜多方市の西部・高郷町揚津地区は、年間積雪量が250cmにもなる特別豪雪地帯として県に指定されています。
2018年4月、例年に比べて積雪量が多くこれが急激に融雪が進んだことから地下水位が上昇し、同地区で地すべりが発生しました。これによって県道新郷荻野停車場線が一部崩壊したほか、農地にも亀裂が生じ2ha以上が耕作不能になるなどの被害が生じました。
県道は揚津地区の住民にとってJR荻野駅や市内へのアクセス道路として重要であることから、早急な復旧が求められました。現地が農林水産省の指定する地滑り防止区域内であるため、農林水産省と県農林水産部、及び国土交通省と県土木部が担当区分を分けつつ協同で進めることとなりました。
このうち国土交通省と県土木部では、寸断された県道を早期に復旧させるため、「EDO -EPS工法」を用いることで、農林水産部による地下水排除工完工後の斜面の安全率1.15を道路築造後も維持することを念頭に計画。また滑落した区間は2つのヘアピンカーブを含んでおり、この線形を短絡化してヘアピン部を解消する狙いと同時に道路工事としての延長を抑えることで経済性にも配慮されています。
採用されたEDO - EPS工法は、土砂やコンクリートの1/100程度の重量(単位体積重量0.2〜0.4kN / m3)のため、安全率を維持しながら必要な盛土高を確保できます。また軽量な部材ゆえに施工も人力で、かつ迅速に行うことが可能な工法です。

工事概要
- 施主
- 福島県喜多方建設事務所
- 工事名
- 公共災害復旧工事
- 施工
- 株式会社海老名建設 株式会社高橋建設
- 商品名
- EDO - EPS工法 11,193m3
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2022年3月号 PDF版冬も楽しい!コルゲートパイプのミニコテージ -コルゲートパイプ-
北海道の大雪山の麓にある「層雲峡オートキャンプ場」は登山客からグランピングまで幅広い利用のあるキャンプサイトとして人気を博しています。また最近の週末移住やワーケーションへの関心の高まりを受けて水廻り等の設備が充実したコテージを新設するなど、利用者の要望に応えたアップデートも積極的に行われています。
そんなキャンプ場に一昨年秋からお目見えしたのが、「通年型コテージ」と名付けられた、岡三リビック納入のコルゲートパイプを使った宿泊施設です(直径3.0m、長さ4.8m)。奇抜な外観からは想像つきませんが、内部は総天然木張りのぬくもり感とともに暖房が完備され、大人2~3人が過ごすのに充分な広さと快適さを備えています。またドア前には各コテージ専用の炊事台やベンチがあるので、共用炊事場を使わなくても料理や食事をすることができます。
コルゲートパイプは容易に大断面の空間を作ることができるため、一般的な土木資材としてだけでなく、建築の内外装などにも度々使用され独自の存在感を放っています。
工事概要
- 施主
- 上川町役場
- 工事名
- 通年型アウトドア拠点施設建設工事
- 施工
- 笠間建築株式会社
- 商品名
- コルゲートパイプ円形2 形(メッキ)t2.7 ×φ 3000 × L4.8m 10 基
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