わが国で考案された多数アンカー式補強土壁工法は、道路盛土をはじめ、水辺、橋台取付、多段階、公園といった盛土に関する様々な要望に応えています。
多数アンカーは構造的に沈下・変形への追随性を有しており、その「柔」な構造は特に耐震性に優れていることが、地震被害調査で示されています。
当社では多数アンカー式補強土壁協会を通じ、豊富な経験と高い技術力を背景に、積極的な工法提案を展開、またコストの削減や、環境への配慮といった社会的ニーズに対しても継続的に取り組んでいます。
■補強原理
壁面に作用する土圧とアンカープレートの引抜抵抗力とが釣り合うことで疑似二重壁を構築し、内部の土を拘束・補強することで安定した補強土壁を構築します。
- 工法の属性
- 【機能】 補強土
【用途】 道路/鉄道/河川/砂防/ダム/山岳
工法の特長
発生土の利用
アンカープレートは礫質土から砂質土、一部の細粒土まで幅広く引抜抵抗力を発揮し、現場発生土を有効利用できます。
安全性
壁面材を先行して組立てる工程となっており、ターンバックルによる壁面調整も簡単に行えることから、以降の作業は全て壁の内側で安全に行われます。
ロックアンカー
背後が安定地山の場合は、ロックアンカー工の併用により、掘削量を大幅に低減できるため、合理的かつ経済的な設計・施工を実現します。
公的機関の認証
平成19年1月 NETIS(新技術情報提供システム)評価情報登録
平成24年7月 道路土工 擁壁工指針(社)日本道路協会
平成26年8月 多数アンカー式補強土壁工法 設計・施工マニュアル第4版発刊(一財)土木研究センター
新しい品質管理
NETIS登録番号:HK‐220006‐A
技術名称:トルクデータを活⽤した多数アンカー式補強⼟壁の品質管理システム
盛⼟の品質を従来は現場密度試験による締固め度品質管理のみで対応していました。多数アンカーでは、この従来の⽅法に加
え補強材に作⽤する抵抗⼒を直接計測することにより、簡便で迅速に盛⼟材の不適をリアルタイムに察知し将来の変状の発⽣
を未然に防⽌できます。
写真−1.トルク管理計測状
写真−2.トルク管理変位計測状況
■トルクによる品質管理例
頻度:タイバーの敷設段数ごとに2本以上を⽬安とする。
その他、降⾬発⽣後に施⼯を開始するとき、盛⼟材採取場所が変更した時、等
■注意事項
トルクによる品質管理は、盛⼟材の⼀般的な管理⼿法である現場密度計測を補完するものであり、代替するものではありません。
所定の現場密度管理の⽅法や頻度など施⼯管理項⽬として定められている事項を優先したうえで実施してください。