徒然月記

岡三リビックの広報誌「岡三マンスリー」の編集者によるコラムです。
徒然なるままに、多ジャンルの様々な事柄に関する雑学的知識が綴られています。

2024年度

ご迷惑をお掛けします

近年日本では、ブラックバス、アライグマ、それにヒアリなど、外来生物を巡る様々なトラブルが顕在化している。しかし実は、我が日本由来の生物も、海外でえらく迷惑をかけているようだ。

・ワカメ 世界の港湾で繁茂し、海中設備を故障させたり、養殖エビのケージを取り巻いてエビが大量死するなどしている。しかも、海外の方々にはワカメを消化できる体内酵素がないとされ、食料に転用することができない。
・クズ 和菓子の材料や葛根湯などでおなじみ。アメリカでバルコニー飾りや、のり面安定用として輸入したものが、いまや九州に匹敵する面積に自然繁茂。地場植物の成長を阻害するなどの問題を生じ、侵略的外来種に指定された。
・イタドリ その花のかわいさでイギリスの庭園用にもてはやされたが、天敵となる害虫や他植物がいないため好き放題に成長し歯止めがかからない事態に。宅地内でのイタドリ自生の有無が事故物件並みに不動産価値を左右している。

イギリスではイタドリマダラキジラミという天敵の虫まで日本から持ち込んで対策しようとしているが、余計に傷口が広がらないことを祈るばかりだ。

下水道も国の宝

東京都荒川区の下水道施設「三河島水再生センター」を見学で訪問した。
同所は1922年、日本最初の近代的下水処理場として建設された。当初の受益地区は浅草や吉原などの下町一帯。都心部への本格整備前のテストベッドとしてここに下水道が敷かれたのだ。都市の近代化を目指した日本の技術者は欧米の様々なインフラを視察。下水道については河川などの地理的条件が似ているイギリスを参考にし、ロンドン以外の地方都市にも足を運んだ。

結果として三河島は当時最先端の設計思想の下、土砂やゴミのスクリーニング槽、計量装置、揚水ポンプなど、合理的な動線と機器で構成され、その後の設備の更新を経つつも1999年まで使用された。これら設備一式や地下管路、ポンプ場建屋などは現在、国の重要文化財に指定されている。建物はぱっと見レンガ造なのだが実はRC造にレンガタイル貼りと思いのほか現代的で、関東大震災にも耐えることができた。

かつて使われた地下の馬蹄型管路は、底面はレンガ瓦敷きである一方、コンクリートとみられる壁面と天井は管路の分岐点や合流点を含めその形状に一切の角がなくシームレス。どのように施工したのか、先人の熱意と工夫には感服するしかなかった。

残った日本語

ちょっと驚いた。日本国は特に公用語を定めていないのだという。ほぼ日本語しか使われていないため、法制化するまでもないということだそうだ。一方で、世界で唯一、日本語を公用語に含めているのが、東南アジア・パラオ共和国のアンガウル州だ。パラオは太平洋戦争後も少なくない日本人が生活していた関係で日本語が根付いており、現地語にも多くの単語が浸透している。

〈現地語化した単語の例〉
・アリガトウ(有難う)
・ダメ(駄目)
・ベントウ(弁当)
・ブロシキ(風呂敷)
・ツケモノ(漬け物)
・ダイジョウブ(問題ない)
・アジダイジョウブ(美味しい)
・オカネ(お金)
・オツリ(お釣り)
・アツイ(暑い)
・ヒドイ(激しい)
・ショウガナイ(しょうがない)
・メンドクサイ(面倒臭い)
・コマッテル(落ち込む)
・センキョ(選挙)
・シンブン(新聞)
・デンキ(電気)
・カンケイシテル(関係がある)
・ツカレナオス(酒を飲む)
・アタマグルグル(混乱する)

ただ、日常的に日本語で話す家庭はアンガウルにはもういないという。

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