岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2020年 8月号

伝説の石をモニュメントで再現 - 人工岩ロッキーステージ -

計画立案から半世紀以上を経て今年4月に運用が開始された群馬県の八ッ場ダム。そのダム湖畔への公園整備が計画されていた場所で2018年8月、高さ2.6m、周囲10m、推定重量約35tという巨石が掘り出されました。

これについて地元では、かつて温泉街の共同浴場「王湯」があった場所に近いことから、かつて埋められた源頼朝ゆかりの「衣掛け石」ではないかとの声が上がりました。
この温泉「川原湯温泉」は1193年に源頼朝が開いたという言い伝えがあり、頼朝が湯につかった際に脱いだ衣を掛けた石とされた巨石がその「王湯」の前にはありました。それが1930年頃、豪雨災害後の道路拡張工事の際に地中に埋められてしまった顛末があったとのことです。
再び現れた石に観光資源への活用を期待する声もあったものの、巨石であるうえにもろさがあり動かすのが困難とみられたことから、地元住民への見学会が催された後にまた埋め戻されることとなりました。

そこでその代替策として挙がったのが、この石を複製してモニュメントとすること。岡三リビックが長年手掛ける人工岩「ロッキーステージ」の技術でこれを形にしました。
その方法とは、まず埋め戻される前の石をレーザーで三次元計測、その形状を3Dプリンターを用いてスケール模型に落とし込みます。これを元に鉄筋で岩の基本形状を立体的に再現しラス網で表面をカバー、ここにモルタルを盛り、職人の手造形で岩の表情付けをしていきます。こうして本物そっくり、実物大の岩が製作されました。
こうして新たな「衣掛け石」が改めて静かに水をたたえた湖を望む公園に置かれ、歴史ロマンをかき立てています。 

物件概要

工事名
H30上湯原地区整備他工事
施主
国土交通省関東地方整備局 八ッ場ダム工事事務所
施工業者
前橋地建(株)
商品
ロッキーステージ製 モニュメント1基

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2020年8月号 PDF版

「一次膨潤」ベントナイトシート 』- ローマットHDB -

日本における農耕の歴史とともに受け継がれてきたため池。しかし年月を経て低下した貯水機能を、本来のレベルに回復し漏水ロスをなくす改修が各地で進められています。
古来よりため池の堤体改修には遮水性の高い粘土を用い、近年では耐震性も考慮して設計施工されます。ただ、年々良質な粘土の確保が困難になっており改修計画を立案する際にはこの点がネックとなっています。

そこで粘土に代わる有効な手だてとなるのが「ローマットHDB」を用いた遮水層の形成です。英国RAWELL WATER CONTROL SYSTEMS社が開発した「ローマットHDB」は、遮水性の高い高膨潤性ベントナイトを一次膨潤しシート状に加工した遮水材です。  

一般的なベントナイトシートは乾燥状態の粘土を現地に持ち込み、土中に敷き込んで粘土の遮水層を形成するための製品です。カルシウムを含有する水などに触れてしまうと膨潤しないか膨潤後に収縮が発生し、健全な遮水層ができません。
その点ローマットHDBは、工場の管理された環境下で予めベントナイトに水を加え膨潤圧密工程をとる(一次膨潤)ことで安定した遮水性能を確保し、整地した地盤に敷設・履土するだけの簡単作業でその性能を即時に発揮します。

ローマットHDBは加工の際も特別な手間は不要です。サイズ調整のためのカットがナイフ等で容易に行え、その際切断面からのベントナイトの漏出といったロスも発生しません。また部材どうしの接続も一定幅で重ね合わせをするだけで自然に密着するため接着剤や特殊な工具を要しないなど、作業全体をスムーズかつ迅速に進めることができます。

岡三リビックが日本で展開して20数年、ローマットHDBは既に43万m2を超える実績を数えます。また耐久性・耐薬品性にも優れたその特長から、例えば海外では石油備蓄設備への敷設にも用いられるなど幅広い用途に対応することができます。

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