工業地帯 供用中の下水道を更生- SWライナー工法 -

茨木健神栖市
茨城県の鹿島臨海工業地帯は鉄鋼・発電・石油化学などの工場群からなる県下最大の工業集積地です。昭和44年に最初の工場が操業を始めてからおよそ半世紀、県の重要な産業基盤の基地として定着しています。
この工業地帯の重要なインフラのひとつが「鹿島臨海特定公共下水道」と呼ばれる神栖市内の大規模な下水道網です。約4,370万m3にも及ぶ その年間処理量の9割は120社を超える工場からの産業排水が占めています。そのため水質や生活環境保全については特に留意が払われており、各企業が個別に一定の処理をした後に公営下水処理場で最終処理をするという二重の浄化工程が採用されています。
この下水道網は工業地帯造成の一環として整備されたもので、近年では老朽化が目立ち更新すべき時期に来ていました。しかし産業排水が中心ということもあって特に幹線となる管路は24時間365日その使用を止めることができませんでした。そこで導入されたのが、使用を中断することなく管路の更生が可能な「SWライナー工法」です。
既存の管路を掘削・交換せずにその内面に粗度係数の小さい管路を新たに形成するのがこの工法。作業人員はマンホールからの送り込み作業が基本で管の中には入らず、また地上部で工事に要する専有面積も少ないなど簡潔で、小規模かつ迅速(管径φ1400で50mの製管に2時間程度)に実施することができます。
同工法を用いた2つの工区の施工会社に対しては、管内に常時流入する下水への対応や、他の工作物が隣接する狭あいな施工環境などの問題を解決しながら工事を実施したその手際に対し、茨城県から「令和2年度チャレンジいばらき土木部長表彰」及び「令和2年度茨城県鹿島下水道事務所優秀主任(監理)技術者表彰」が授与されており、いかに地域にとっても重要な工事であったかが伺えます。

物件概要
- 施主
- 茨城県鹿島下水道事務所
- 工事名
- 管渠(深芝中央幹線)改築工事 (7工区)/(8工区)
- 施工
- 幸武建設(株)/小若建設(株)
- 商品
- SWライナー工法φ1375 233.8m/233.3m
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2021年8月号 PDF版地域のきずなを大事に - フォトリックアート -
北九州市の下水道工事現場
「フォトリックアート」は、平面に描いた写真やイラストが今にも飛び出しそうに見える錯覚アートです。現場仮囲いでの利用を主体に、建設現場を和ませたり、居合わせた人に小さなサプライズを演出したり、お客様のご要望を取り入れた絵柄にもお応えしています。
福岡県北九州市「天籟寺初音町幹線管渠築造工事」もそのひとつ。下水道幹線増設のため掘削作業にはシールドマシンを用いていますが、その発進立坑となる防音ハウスは市街の公園敷地を専有し、かつ保育園に面しています。
長期の工事となるため
・近隣の方々に工事に対する理解を頂くこと
・近隣の方々に配慮すること
が現場の重要な課題でした。
そこで、イラスト多用でわかりやすさを重視した事業説明板にはダイナミックに壁を飛び出すフォトリックアート のシールドマシンをプラス。また国の重要無形文化財ともなっている地元のお祭り「戸畑祇園大山笠」を題材に、前年度の写真、それも当該地区でのものをふんだんに使用したフォトリックアートで、ご当地感を演出しています。昨年今年とお祭りの中止を余儀なくされているなか「地域住民に寄り添いたい」という現場の想いを実現しました。
遊び心にあふれたフォトリックアートは、アイデア一つで街のあちこちに笑顔を咲かせます。

物件概要
- 施主
- 北九州市上下水道局
- 工事名
- 天籟寺初音町幹線 管渠築造工事
- 施工者
- 森・梅林・福山 総合建設工事共同企業体
- 商品
- フォトリックアート
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