岩場に棲むペンギンの生態を行動展示
- 人工岩ロッキーステージ -

九州・福岡県の「福岡市動物園」は1953年に開園した歴史ある動物園で、地域のみならず、県外からの観光客にも人気の動物園。2006年より大規模なリニューアル工事が進められており、市民に愛される動物園を目指し常に進化し続けています。
そうした中、1965年からの施設であるペンギン舎の規模を5倍に広げる計画が立案され、飼育するフンボルトペンギン本来の生育環境を模した展示へと転換することとなりました。
その目玉は従来展示より格段に広がり大小に分かれた水槽。大型水槽はペンギン用としては国内でも最大級の水深となる4mを確保し、観覧者は、気持ちよくスピーディーかつ立体的に泳ぎ回るペンギンを、水槽下など様々なアングルから観察することができます。

同展示施設では、フンボルトペンギンが南米太平洋岸のチリやペルーなど、サボテンも生育するような乾燥地帯に生息する種であることを受け、敷地の高低差を利用して崖状の岩場のイメージを投影。この特徴的な演出のために展示空間全体に採用されたのが、人工岩「ロッキーステージ」です。
日光を避け穴を掘って営巣するフンボルトペンギンならではの生態を反映した巣穴にもロッキーステージが使用され、落ち着いて抱卵したり、くつろげるよう工夫されています。
日本動物園水族館協会にも加入するなど、ただ形を作るだけに留まらない知見を持つ岡三リビックは、全国の動物園・水族館を支えています。
工事概要
- 施主
- 福岡市動物園
- 工事名
- 南公園センターゾーンペンギン展示施設新築工事
- 施工会社
- 溝江建設株式会社
- 商品名
- ロッキーステージ 122m2
PDFでご覧になりたい方はこちら
2025年4月号 PDF版国土技術政策総合研究所から
橋台背面アプローチ部等の設計に関する共同研究
(補強土壁の検証編)発刊!
- 補強土壁工法・EDO-EPS工法 -
研究対象
■補強土壁工法
・多数アンカー式補強土壁
・ジオテキスタイル補強土壁
・テールアルメ
■EDO-EPS工法
橋台アプローチ部の補強土壁についてその考え方が整理されました。
点検時の着眼点を整理
維持管理各段階での留意点を提示
1. 地震時の構造体の安全性と変位
現行設計を満足し良質な盛土材料を十分に締め固めた条件下であれば、安全性に一定の余裕が確保される。
2. 補強材の引き抜き抵抗力評価の前提条件
摩擦系補強材は補強材と盛土材の接触、支圧系補強材は支圧プレートの離隔が確保できれば、単独補強材として評価できる。
なお、近接の場合において補強材の引抜き抵抗の観点では大きな問題にはならない。

3. 三次元的な構造の補強土壁での留意事項
隅角部では十分な幅の不織布を設置する、両面壁の補強材を原則として連結しない、H/B < 0.77 程度とする、などの条件を満足すれば3 次元的な影響を考慮したものと扱える。
注1)連結する多数アンカー式補強土壁工法の補強材引張り力は、静止土圧を用いて設計する。
4. 橋台背面の段差を限定的に留めるための仕様と条件
橋台背面に適した材料と橋台背面の締固め管理値を参考に締固めるのが良い。
5. 路面の連続性や補強土壁の状態による基礎地盤条件
最上段補強材長+1m の範囲まで地盤改良すれば、実用上は沈下影響を考慮したものとして扱える。
注2)この改良範囲は未改良基礎地盤が40cm 沈下した条件の実験・解析に基づく。

6. 橋台と補強土壁の接続部の構造
端部調整金具は損傷が生じない設置方法とし、不織布の幅1m 以上とするのが良い

PDFでご覧になりたい方はこちら
2025年4月号 PDF版