岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2021年 9月号

両面壁で用地を有効利用- 多数アンカー式補強土壁工法 -

京都府道改修工事
 京都府の京都市伏見区と宇治市内を結ぶ向島宇治線は、宇治川の左岸堤防上を5.8kmにわたって走り抜ける府道です。
その南端の終点にあたる宇治橋西詰交差点は、同道も含め5つの府道と1つの市道の起点・終点となっている交通の要所です。しかしその交差点直近に京都方面への通勤路線であるJR奈良線の踏切を持つことが交通の流れを止めており、慢性的な渋滞発生が問題となっていました。
さらに、JR奈良線は一部区間のみが複線で、現在複線化の延伸工事が進められていますが、今後も踏切を利用した場合に複線化で遮断時間が増加し更なる渋滞となることが懸念されていました。

そこで府では、向島宇治線とJR線を立体交差とすることで踏切をなくし、渋滞の緩和や踏切事故の防止を図ることとなりました。
この新道路は堤防上からいったん下りてJR線をくぐる形になっているため、5m近い高低差のある勾配路となっています。もともと家屋が立ち並んでいた街区に道路を新設していることから用地確保を最小限に抑える必要があり、その観点から多数アンカー式補強土壁工法の両面壁により法面を用いない方策が採られています。

多数アンカー式補強土壁は、壁面に作用する土圧と背面のアンカープレートの引抜き抵抗力とが釣り合う形で擬似的に二重壁を形成し、内部の土を拘束・補強することによって安定的な盛土とする工法です。その「柔」な構造は耐震性にも優れており、合理的に安全性の高い擁壁の構築が可能です。

JR線工事の進捗に伴い既に踏切は廃止され、新道路も暫定開通ながら供用を開始。一定の整備効果を発揮しているようです。

物件概要

施主
京都府山城北土木事務所(H30-2)
工事名
向島宇治線地方道路交付金工事
施工
日皆田・田中千特定建設 共同企業体
商品
多数アンカー式補強土壁工法 135m2

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2021年9月号 PDF版

自然公園整備で法面を保護 - 多機能フィルター -

愛媛県西条市・東部公園
 愛媛県西条市は、瀬戸内海に面し、豊かな穀倉地帯と県有数の工業地帯を抱えた人口約10万人の都市です。市では、地域の中長期的な方向性を定めた県のマスタープランと連動する都市計画を策定し、様々な環境整備を進めている途上にあります。
そうした中で、市東部の緑地帯を市民のレクリエーションの場と位置づけ、これまで多目的球場がぽつんとあるだけだった場所を、自然と触れ合うレクリエーション空間として再整備し、なおかつ災害時の緊急避難場所にもなる、より総合的なスポーツ公園とすることとなりました。
その計画策定にあたっては市民ワークショップでの意見なども取り入れ、「豊かな自然とふれあう緑の丘」をコンセプトとした自然地形を生かしたプランが取りまとめられました。これに基づいて整備される公園で法面保護材として採用されたのが、岡三リビックが提供する「多機能フィルター」です。
多機能フィルターは、97~98%の空隙率を持ったポリエステル製の不織布(ウェブ)。法面に張るだけで、その独特な繊維構造が雨・風・凍結や干ばつなど様々な気候から土壌を優しく守ってくれます。
表土に密着しつつ、時間降雨量100mm相当の豪雨に対しても良好な排水作用で侵食を防止し、土壌中の養分を保護。地元の植物相の生育をロングスパンで安定的に促す環境を提供します。

物件概要

施主
西条市
業者
株式会社ナカマル
工事名
東部公園施設整備工事
施工者
森・梅林・福山 総合建設工事共同企業体
商品
多機能フィルター
SP-45 600m2
MF-30R-0 875m2
MF-45R-0 875m2
MF-45R-30 260m2

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