岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2023年 3月号

有事の要となる自動車道の補強盛土 - トリグリッドEX、パラリンク -

和歌山・すさみ串本道路
紀伊半島の南端・和歌山県の沿岸部は旧来、ほぼ唯一の道路交通として国道42号が通じていました。しかし台風による越波や法面崩落などで通行規制が敷かれる状況がしばしば発生している他、今後予想される南海トラフ地震では同道の半分以上の区間で浸水の恐れがあるなど、防災上の脆弱性が指摘されています。

そこで同半島のネットワーク強化のために進められているのが、現道と並行して半島沿岸を抜ける自動車道の整備で、「すさみ串本道路」もその一環です。南海トラフ地震で予想される津波高さを上回る25m以上の標高に通す一方、地域の人々の一時避難空間となることも想定に入れ比較的沿岸部に近いルートがあえて設定されています。そのためトンネル延長を抑え、橋梁や盛土などによる開放区間を可能な限り多めに取るよう考慮されています。

この道路の高盛土の下端部で採用されたのが、岡三リビックが提供するジオテキスタイル「トリグリッドEX」「パラリンク」を用いた補強盛土です。高い強度と耐衝撃特性・耐久性・摩擦特性に優れ、かつ容易な施工性を有するトリグリッドEXとパラリンクは、それぞれ安定性の高い盛土を構築する商品として多くの実績を重ねています。

工事概要

施主
国土交通省紀南河川国道事務所
工事名
すさみ串本道路有田東地区改良工事
施工会社
株式会社尾花組
商品名
トリグリッドEX 2.051m2
パラリンク 9.953m2

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2023年3月号 PDF版

テラグリッド工法の適用範囲が拡大しました! - テラグリッド工法 -

「テラグリッド補強土工法」は、のり面保護や基礎地盤の補強に使用される「グランドセル」と盛土補強ジオグリッド「トリグリッドEX」の組み合わせによる新しいタイプの補強土壁工法です。
従来の補強土壁工法に比べて、凍上や塩害に対する耐久性が高く、壁面近傍の転圧管理が容易で、任意ののり面勾配に対応できる優れた工法です。

この度、「グランドセル」開発元の東京インキ(株)との共同にてこのグランドセルとトリグリッドの補強材連結部の引張強度試験を改めて実施し、連結部の部材形状や適用強度規格の見直しの可能性を探りました。その試験は土槽の中にテラグリッド補強土壁の一部を実際の施工を模擬して構築し、トリグリッドEXを引き抜く際の荷重と変位を計測するもの。連結部が破壊するまでを確認し、実際の構造体での限界強度を検証しました。

この試験の結果により、使用するトリグリッドEXの適用強度規格の上限を従来のEX- 80タイプからEX-100タイプまでへと拡大できることが判明。これによって工法の経済性の向上が見込まれるほか、従来よりも高い壁高構造での構築が可能となりました。
また、連結構造についても新しいアイディアで複数案が試行されましたが、現行の構造がやはり最も耐久性・経済性・施工性のバランスに優れていることが再確認され、部材構成は変更なしとなっています。

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岡三リビックは、テラグリッド補強土工法に限らず各工法の検証と信頼性の向上、そしてより簡便な施工に向けた利便性向上などに常に取り組み、みなさまに安心して施工、供用していただけるようそのブラッシュアップに努めています。

■工程ごとの参考施工動画をご覧頂けます。

(「テラグリッド補強土工法研究会」のYouTube 動画へのリンク)

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