岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2021年 7月号

震災の教訓をエージングで保全- エージング -

被災の「田老防潮堤」で採用
岩手県宮古市の沿海部に位置する田老地区は過去、たびたび津波に襲われてきました。全戸が流出するような被害も受け、その対策として日本一ともいわれるT.P.※+10m、延長2.4kmの巨大な防潮堤を年月をかけて築いてきた歴史がありました。
しかし2011年の東日本大震災では再び大津波がこの地を襲い、防潮堤の一部を破壊し、街を飲み込んでしまいました。

現在同地区は高台移転を主軸に住宅再建がなされたほか、T.P.+14.7mの堤高を確保した防潮堤が形を成し、ようやく復興のハード面がひと段落しています。
同地区では、東日本大震災の記憶と教訓を後世に伝えるべく、6階建て建物の1、2階が津波で鉄骨だけとなった「たろう観光ホテル」が震災遺構として保存されているほか、破壊された旧防潮堤(第二防潮堤)の一部も、被災した当時の姿を留めることとなりました。

しかし破壊された防潮堤はそのままにすると地震や経年劣化による倒壊などの事故の恐れがある為、その保全策としてモルタルで吹付をして中詰め土の流出防止を図る工事が行われました。ただ、一般的なモルタル吹付工は灰色で、防潮堤が崩れ内部の土が見えていた被災時のイメージと変わってしまうことから、これを補完すべく用いられているのが岡三リビックによる「エージング」という塗装技術です。
エージングは、塗装技術により物が年月を経た様子を再現するもの。災害対策工事を現地景観になじませるといった用途でこれまでも様々な景勝地の保全に活用されてきました。

岡三リビックは、技術的にだけでなく文化的な側面からも土木の可能性を広げて行きたいと考えています。

※ T.P.(Tokyo Peil)=東京湾平均海面

物件概要

施主
沿岸広域振興局水産部 宮古水産振興センター
工事名
田老漁港防潮堤補修工事)
施工
(株)タカヤ
商品
エージング 203m2

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2021年7月号 PDF版

急峻な渓谷の仮設道路をEDO-EPSで構築 - EDO-EPS -

東京湾に注ぐ一級河川・荒川の上流部。埼玉県秩父市大滝、荒川と大おおぼら洞川の合流点に位置する「二瀬ダム」は、昭和36年に完成した高さ95mの重力式アーチコンクリートダムで、総貯水容量2,690万m3、有効貯水容量2,180万m3の貯水池によって下流域の水害防止とかんがい用水の安定供給、さらに水力発電を60年にわたって担っています。
しかしそのダムも年々堆砂が進んでおり、平成元年にはダム湖「秩父湖」上流の荒川に貯砂ダムを建設し、流入する土砂を抑制しています。同じく上流の大洞川についても貯砂ダムの建設が計画され、奥秩父特有の深いV字渓谷で高低差約60mのダム湖の河床へと向かうアクセス進入路を建設する必要が生じました。
この進入路を建設する工事に用いられたのが、超軽量盛土工法の「EDO-EPS工法」です。当現場のような深く急峻な渓谷では通常の盛土による道路構築では自重で崩落する危険が想定されることから、重量が土砂やコンクリートの1/100程度(単位体積重量0.2~0.4kN/m3程度に収まる同工法が選定されました。

その部材の軽量さから人力で容易に施工を進めることが可能なため、現地条件により大型建設機械が入れないような狭あいな工事現場でより真価を発揮することができます。

建設された進入路を使い、令和元年の台風第19号災害で大洞川に大量に堆積した土砂の災害復旧搬出工事を実施しているほか、今までは船を使い時期も限定されていた貯水池の巡視も、安全かつ容易に行うことが可能となりました。

物件概要

施主
国土交通省関東地方整備局 二瀬ダム管理所
工事名
H30二瀬ダム大洞川進入路(その4)工事2工区他
施工
(株)サンセイ
商品
EDO - EPS 538.5m3

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