岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2021年 12月号

迅速施工で高い整備効果の砂防ダム- パットウォール -

広島県太田川水系
2018年7月、西日本を中心に記録的な豪雨が続き、各地で土石流や河川の氾濫が発生しました。広島県では住宅地や道路、橋梁、ライフラインなどへの被害が相次ぎ、約9,500 世帯が避難を余儀なくされました。
広島市周辺の砂防事業を管轄する国土交通省では、事態を受けて緊急の災害復旧を図るとともに新たな計画に着手、土石流が発生した箇所に重点的に砂防堰堤を整備することとなりました。

このうち広島市安佐北区に設置された太田川水系矢口川の堰堤3基は一部の工事を残して概ね完成。いずれも水通し部を鋼製透過型とした重力式コンクリートのダムとなっています。そして本体部の施工では、型枠を外さずにそのまま仕上げ面とすることで工期短縮を図ることができる残存型枠「パットウォール」が採用されました。
パットウォールは耐アルカリガラス繊維補強モルタルを高圧プレス成型したパネル型の製品で、コンクリート打設高さ1. 5mの側圧に耐える強度を持っています。その一方で人力で組付けができる軽量さ( 無地タイプで16.8kg ) も併せ持っているため、施工環境の厳しい山間部においても重機に頼らない作業が可能です。
型枠がそのまま仕上げ面となるため、例えばコンクリート打設後すぐに端部の埋め戻し作業に入ることも可能。災害対策工事にとって少しでも早い作業完了は関連事業をより推し進め、安心な暮らしの前倒しに貢献します。また外した型枠の廃材処理が不要であることは環境対策面での大きなメリットとなります。

これら鋼製透過型の砂防堰堤は全面コンクリートの不透過型と異なり細かい砂などはそのまま流し貯砂許容量を確保しつつ、甚大な人的・物的被害をもたらす流木や土石流を効果的に捕捉するものであり、昨今全国各地で発生している土砂災害に対してますます大きな役割を担う施設です。岡三リビックはこれからも、災害から人々を守る確かな仕事で貢献してまいります。

工事概要

発注者
国都交通省太田川河川事務所
工事名
広島西部山系矢口川 支川係留外砂防堰堤工事
施工業者
株式会社竹下建設
施工規模
パットウォール約3,200m2
鋼製スリットダムB型 ×1基
J-スリット堰堤 ×2基

PDFでご覧になりたい方はこちら

2021年12月号 PDF版

光硬化で管更生 - J-TEX工法 -

「J -TEX工法」は、紫外線照射による樹脂硬化技術を用いた管更生工法です。
特殊な編み込みのガラス繊維製不織布に光硬化性樹脂を含浸した「ソールスライナー(SORS LINER)」を工場の徹底した品質管理のもとで製造。現場ではマンホールから既設管内にソールスライナーを引込んで専用治具「パッカー」を上下流端部に取り付け、送風機によってその内部を拡径した後に光照射装置「UVチェーン」を挿入します。
送風機によってソールスライナーが既設管内面に密着して規定圧力に達したことを確認したのち、UVチェーンの照射する紫外線によって樹脂を硬化させ所定の強度と耐久性を有した更生管を形成します。

その施工は管径φ300mm×延長L30mの条件でわずか4時間程度と超スピーディ。また、UVチェーンの前後と専用治具にはカメラが装着されているため、硬化時等の施工管理が更生管内部の全延長において可能。常に高い品質を保持した仕上がりを実現します。
J -TEX工法は従来工法と比べてライナー材を長期保管でき、荷姿・重量もコンパクトなため運搬時のCO2を削減。また硬化養生水が不要であるなど環境負荷低減に貢献します。さらに光硬化に関わるコントロールユニットは従来の同種工法に比べ小型化されており、施工車両1台に施工機材と発電機及び材料等一式を積載できるため、経費縮減や作業員負担の軽減にも貢献します。

岡三リビックは現場のニーズに応えた様々な管更生工法をご要望に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

PDFでご覧になりたい方はこちら

2021年12月号 PDF版
ページトップへ