ロックアンカー併用で経済的に施工 - 多数アンカー式補強土壁工法 -
「三遠南信自動車道」は、長野県飯田市の中央自動車道と静岡県浜松市の新東名高速道路の間を結ぶ延長約100kmの高規格幹線道路です。
この計画のうち「国道152号小嵐バイパス」区間は現道が長野・静岡県境付近で自動車通行不能区間のため迂回を余儀なくされており、少しでも早い開通が望まれています。
同道において現道の交通を確保しつつ拡幅工事を行なう箇所がありますが、その工事を効率的に進めるため白羽の矢が立ったのが「多数アンカー式補強土壁工法」です。
一般的に摩擦系の補強土壁の場合、補強材に必要な定着長を確保するよう考慮すると地山の掘削量や盛土量も多くなりがちです。しかし多数アンカー式補強土壁では、背面に堅固な岩盤がある場合はロックアンカーを打ち込んでこれをタイバーと緊結することで補強土壁として構築することが可能で、岩盤を掘削する必要がないため工程を大きく短縮でき、早期開通への道筋を付けることができます。
また広範な土質を適用できる同工法の特性を活かし、県境で行われているトンネル工事のズリを盛土材に転用、有効利用できる副次的なメリットももたらしています。
完成した「ロックアンカー併用型」多数アンカーは同工法では国内最大級となる壁面高さ20.0m、タイバー総本数約3,300本(うちロックアンカー式約2,000本、アンカープレート式約1,300本)の規模となりました。
ロックアンカー式での施工にあたっては壁面との位置関係を正確に把握するため実際に現場にて岩盤から壁面までのタイバーの必要長を計測、100mm単位で部材を製作し施工しています。
物件概要
- 施主
- 長野県飯田建設事務所
- 工事名
- 平成29年度 社会資本整備 総合交付金(道路)工事
- 施工
- 1工区 株式会社守谷商会/ 2工区 木下建設株式会社
- 商品名
- 多数アンカー式補強土壁 2,178m2
PDFでご覧になりたい方はこちら
2021年1月号 PDF版ラッピングバスから水族館へ - フォトリックアート -
鹿児島市では「平川動物公園」「いおワールドかごしま水族館」それぞれの年間パスポート発売の共同宣言にバスのラッピング広告を用いることとなりました。昨年2月に走り出したそのバスは、背面部分に岡三リビックがデザインしたフォトリックアートが採用されていて、各方面からも好評を得ていました。
そのため水族館公社からは、夏休み期間のイベントとして写真撮影スポットを用意してフォトリックアートを飾るプランが起案され、イルカ、ジンベエザメ、クラゲがデザインされた大きな絵が館内各所に設置されることとなりました。
イベントは好評で設置期間を延長してフォトリックアートとの記念撮影のSNS投稿を呼び掛けるなど大いに活用された模様。このフォトリックアートはイベント後も保管するとのことなので、近々なにかの機会にまた登場するかも知れません。
PDFでご覧になりたい方はこちら
2021年1月号 PDF版