岡三マンスリー

「岡三マンスリー」は岡三リビックが毎月お届けする、
トピック満載の広報誌です。
2000年10月から発行しております。

2020年 5月号

園児もビックリ!窓の外に動物たちが出現 - フォトリックアート -

東京都水道局では、安定した給水のために利根川・荒川系と多摩川系の原水を連絡管で結び相互融通する体制が朝霞浄水場と東村山浄水場との間で構築されています。さらに現在は、融通機能の向上を図るためこの連絡管を二重化する「第二原水連絡管」の整備を進めています。
その工事はいま、シールド工法で一次覆工されたトンネル管路内(鋼製セグメントΦ2700)へのΦ2000のトンネル内配管や立坑築造などが行なわれています。

東村山市内に位置する立坑築造の当現場は保育園と老人ホームに隣接しており、周辺環境対策として騒音と景観への配慮が必要でした。騒音対策には約35dBの低減効果のある防音ハウスを設置し、隣接する施設への対策には外壁に幅20m高さ3mの大きな「フォトリックアート」を貼りました。

フォトリックアートにはゾウ、キリン、ライオン、それに近年「動かない鳥」として注目を浴びるハシビロコウに加えて東京都水道局のキャラクター「水滴くん」「水玉ちゃん」も登場、千葉動物公園から提供された写真を使用して本物の動物たちが枠から飛び出て見えるリアリティを演出して保育園の園児達にも大人気となっています。フォトリックアートは保育園の窓や周辺道路からも見えるように貼られ、地域の景観性を高めるように配慮されています。
地域に向き合ったこれらの積極的な環境対策の実施が評価され、当現場は東京都水道局の水道工事イメージアップコンクールでも表彰を受けています。

物件概要

施主
東京都水道局
工事名
東村山市青葉町一丁目地内から新座市新堀二丁目地先間原水連絡管(2000mm)トンネル内配管及び立坑築造工事
施工
森・中林・土志田建設共同企業体
商品名
フォトリックアート 3mx20m

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2020年5月号 PDF版

多数アンカー独自の品質管理法を試行 - 岡三リビック株式会社 x 北見工業大学 x 株式会社森川組 -

岡三リビックと北見工業大学、森川組で構成するコンソーシアムは、北海道の「函館新外環状道路函館市上湯川西改良工事」(北海道開発局函館開発建設部発注)において「多数アンカー式補強土壁」の品質管理システムの試行業務を受託しました。
補強土壁の盛土状態を電子データ化し、クラウドストレージを介して遠隔地にいる発注者や補強土壁工法メーカーともリアルタイムで情報を共有し、盛土材料の性状変化に対して早期の対応を可能にするのがこの試行の目的です。

多数アンカー式補強土壁は、タイバーを介して壁面材と連結されたアンカープレートを土中に埋設しながら構築していく抗土圧構造物で、アンカープレートが発揮する支圧アンカ ー力によって壁面を支持しています。 タイバーにはターンバックルが装着されており、壁面の傾斜調整ができる構造になっています。この管理システムは、ターンバックルの回転時のトルクからアンカープレートに発生する引抜き抵抗力を計測して盛土の状態を間接的に把握することができます。ターンバックルを用いる多数アンカー式補強土壁工法だからこそ可能な測定方法です。

壁面調整のために回転させるターンバックルの回しやすさは反力となるアンカープレート周辺の盛土材の状態を反映していると捉え、ターンバックルが回転する際のトルクを計測することで、盛土材が壁面を支えるのに十分な支圧アンカー力を発揮できる盛土材であるかどうかを確認することができます。
また計測値はクラウド上に瞬時に保管できるため、遠隔地にいる発注者や補強土壁工法メーカーも容易にそのデータを参照することが可能になります

今回の試行業務では、ターンバックル回転時のトルク値とタイバーの変位確認による品質管理基準の構築や、クラウドストレージを用いたデータの遠隔地との共有化が実現しました。一方で、「盛土材によって所定の支圧アンカー力に相当するトルク値がどの程度変化するのか」「その値に与える壁高の影響は」「設計値を下回る盛土材の状態であった場合にどの程度のトルク値があり、アンカープレートの挙動がどうなるのか」等々課題も抽出できました。
今後も実際の施工現場において検証試験を重ねて、将来的には高品質な多数アンカー式補強土壁を構築する品質管理方法として確立されることが期待されています。

物件概要

施主
北海道開発局函館道路事務所
工事名
(第4版) 函館新外環状道路 函館市上湯川西改良工事
施工
森川組
商品名
多数アンカー 112.38m2

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