お国自慢

岡三リビックの社員が持ち回りで執筆しているコラムです。
地元のおすすめや地域にまつわる豆知識など、面白くて役に立つ情報が満載です。

※お国自慢は毎月発行の岡三マンスリーに掲載されています。
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2021年度

ストリートダンス

突然ですが、みなさんはヒップホップと聞いて何を思い浮かべますか?
ほとんどの人がラップをしながら歌う音楽をイメージすると思いますが、実はヒップホップとは「文化」のことを意味します。ヒップホップカルチャーと呼ばれるDJ、ダンス、グラフィティ、MCの4つの要素から成り立っています。ブラックカルチャーとも呼ばれますが奴隷としてアメリカに渡り、差別の中で生きていた黒人達が音楽やダンス、アートなどで自己表現をしたことが始まりとされています。そんなヒップホップカルチャーの一つの要素がストリートダンスです。

1970年代にストリートダンスとして認知され始めてから50年程度と歴史はまだ浅いですが、その勢いは凄まじく、2024年パリオリンピックではストリートダンスのジャンルであるブレイクダンスが正式種目に採用されています。

日本人には馴染みのない文化と思ってしまいますが、日本にも日本舞踊や盆踊り、各地方に伝わる民族舞踊など踊る文化があります。私は大学時代、ストリートダンスのサークルに所属しダンス漬けの毎日を過ごしていました。もっとダンスや踊りが身近なものになり、趣味や習い事として広まって欲しいな、と思います。

とんちの主人公・吉四六

とんち話といえば皆様ご存じ「一休さん」に代表されるかと思いますが、全国にはさまざまなとんち話が昔話・民話として語り継がれています。
そのうちの一人が、江戸時代の豊後国野津院(現在の大分県臼杵市野津地区)で名字帯刀も許されるほど立派な庄屋であった廣田吉右衛門(初代)がモデルとされる「吉四六さん」です。この吉四六さんのエピソードは元々の本人の話とされているものに地域の色々な伝承も加えられ膨らんだことで二百以上にもなるといわれ、県民に深く根付いています。例えば…

■渡し舟の船頭をしていた吉四六、一人の武士が、渡し賃八文を渋り「六文にまけろ」と言って譲らない。そこで吉四六は武士を乗せて漕ぎ出し、もう少しで着くというところで「六文ではここまでです」と宣言。驚いた武士が「こんなところで降りられるか」と言うので、吉四六は「では戻りましょう。行きが六文、帰りが六文の十二文になります」と告げると、武士も降参して八文を支払ったという。

県民なら知らない人はいない「吉四六さん」。そのとんち話は現代でも語り継がれ、舞台化や、焼酎や漬物の銘柄にもなるほど愛されています。

白旗神社

神奈川県藤沢市には、人気の観光地・江の島や鎌倉に向かう「江ノ島電鉄」の始発駅がありいつも観光客で賑わっているのですが、それらの観光地とは逆に内陸側2kmほどにある「白旗神社」をご紹介しましょう。

白旗神社は全国、特に東日本に多く点在しています。白旗とは源平合戦における源氏の旗の色で、藤沢の白旗神社には源義経が祀られています。
伝承では奥州平泉の衣川館で自害した源義経の首は、鎌倉の腰越まで運ばれ首実検され、そののち捨てられた首が川を遡っていま神社が立つその地に漂着したといいます。白旗神社のすぐ近くには、義経の首洗井戸と、弁慶の首が祀られている八王子社もあります。

例年、5月5日には、地域の子供たちの成長を願い境内に鯉のぼりを掲げて「牛若まつり」が開催されています。
また、5月初旬の境内には薄紫の弁慶藤と白の義経藤が満開になります。藤沢の地名に由来する「藤」は市花として人々に親しまれています。
私が白旗神社を訪れたとき、義経と弁慶が描かれている紫色のご朱印帳があまりにかっこよく、初めてご朱印帳を買い求めました。コロナウイルスが落ち着いたら、少しずつご朱印を増やしていきたいと思っています。

ハヤブサ駅

鳥取県の観光名所は砂丘だけではありません。例えば若桜鉄道の隼駅をご存知でしょうか。素朴な木造の無人駅ですが、今や八頭郡八頭町を代表する観光スポットとなっています。
きっかけは2008年。駅名がスズキのスポーツバイク「ハヤブサ」と同じということで、バイク雑誌が「8月8日はハヤブサの日」「隼駅に集まろう」と呼びかけて全国からハヤブサ乗りが集まったことでした。

以来毎年8月8日前後には地元の手で「隼駅まつり」が開催されるようになり、近年は来場者2,000人を超える規模にまで成長。メーカーのスズキも協賛し社長自ら来場されるほどです。
当日は近くの公園に出店が並び、ステージでプロのライダーのトークショーや地元の伝統芸能の披露、記念撮影会が行われる他、若桜鉄道の車両とハヤブサ乗りが並走してのパレード等々、大いに盛り上がっています。

隼駅構内には売店が設置されハヤブサグッズを販売しているほか、駅の横には引退した列車を配置してライダーの休憩施設としています。バイク好き・鉄道好きの方、またそうでない方も八月にお越しの際は訪れてみてはいかがでしょう。砂丘へも近いですし…。

支笏湖ブルー

私が大好きな支笏湖についてご紹介します。北海道千歳市にある日本最北の不凍湖で約四万年前の火山活動によって誕生しました。札幌中心部から約1時間、新千歳空港からなら約四十分の場所にあり、ドライブにもおすすめです。また水質のよさと透明度の高さは有名で環境省の湖沼の水質ランキングで過去何度も日本一に選ばれています。

晴れた日は湖底が見えてしまうほどで通称「支笏湖ブルー」といわれ、見る者を圧倒します!その景色は春夏秋冬、それぞれの季節で異なり、一年を通していろいろな姿に変化します。
春は、桜並木の散歩道を歩いたり夜はライトアップされた夜桜がおすすめ。
夏は、キャンプ場が大人気。最近ではボードの上に立ちパドルを漕いで水面を進む「サップ」なども楽しめます。
秋は、湖畔から見る紅葉。またはカヌーに乗って湖上から色とりどりの景色を見渡すのもおすすめ。「チップ」の名で知られる名産のヒメマスなど秋の味覚も楽しめます。
冬は、支笏湖氷濤(ひょうとう)まつりという湖水を吹きかけて凍らせた氷のオブジェが立ち並ぶ氷の祭典が開催され、夜は色鮮やかなライトに照らされて幻想の世界へ…

季節を問わず「ザ北海道」を満喫できる支笏湖への旅行を是非、計画してみませんか?

モーニング発祥の地

愛知県出身の私は小さな頃から休日の朝ごはんは家族でお出かけしてのモーニングが定番でした。家庭や環境によって定番かどうかは別れますが、愛知県民にとってモーニングは大変なじみのあるものと思います。
モーニングとはモーニングサービスの略称で、喫茶店やレストランが朝の時間帯にドリンクやトーストなどを無料または割安価格で提供するサービスのことです。こうしたサービスの発祥の地は諸説あるそうですが、愛知県一宮市が濃厚だといわれています。
愛知県には喫茶店やカフェが他県よりも多いらしく、名古屋市内だけでも四千店以上あるといいます。これだけ数が多いのも、モーニングをやっている地域密着の飲食店だからかも知れません。名古屋発の全国チェーン喫茶店「コメダ珈琲店」では朝十一時までに入店するとドリンク代でトーストと卵または名古屋名物の小倉あんが付いてきます。
コロナ禍の現状では不要不急の外出や県外移動の自粛がありますので明けてからの楽しみとしてぜひモーニングを試して頂きたいです。朝食とは思えないボリュームであったり店ごとに名物が違いますので、自分の好みの店を色々探索してみてはいかがでしょうか。

プレミアリーグ

私が大好きで何度も渡航してナマ観戦している海外サッカー「プレミアリーグ」についてお話したいと思います。サッカーはイギリス発祥のスポーツですが、イギリスは正式にはイングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドに分かれており、その中で最も有名なのがイングランドのプレミアリーグです。

チケットは観戦したいクラブのサイトで直接、5千円くらいから購入できます。ただし人気のビッグクラブは年間シート販売が殆ど、また普通席もファンクラブ入会が必須なうえ何度もスタジアムに通う地元有利で、私のような海外ファンはほとんど購入することができません。それでも年間シートの購入者が行かない日のチケットを販売するサイトがあり、ここで購入するといった手段を取ることができます。

そんなチケットも年々価格が高騰しており、正規販売でも普通席が1万円近くと庶民には厳しく、パブでTV観戦するスタイルが徐々に増えてきているようです。そのTV観戦にしてもも世界的にはペイ・パー・ビューが主流になっておりその価格が年々高騰しているため、将来は友人宅でみんな集まってのTV観戦が普通になっていくのかも知れません。

かごしま黒豚

かごしま黒豚とは、鹿児島県内で飼育された純粋バークシャー種の豚肉、またはその豚の生体を指します。約四百年前に島津家久により琉球から移入したのがその起源といわれています。
生産に必要な基準として、飼育後期にさつまいもを10~20%添加した飼料を六十日以上与えるそうで、脂肪の質を向上させ、さっぱりとした食味やしまりのある肉質となります。一般的な豚の1.2~1.5倍ほどの飼育期間を経てじっくりと大切に育てられることで、より引き締まった肉質が生まれるのです。

鹿児島ではしゃぶしゃぶと言えば豚肉。ポン酢、胡麻ダレも美味しいですが、出汁につけたり、カレー・バジル・ローズマリー・ガーリック・とうがらし・桜島小みかんのハーブ塩で食べたり、卵につけたりと、味わい方も様々です。あっさり食べられて、脂が甘くてとても美味しいです。一緒に温野菜も摂るとヘルシーだと思います。
しゃぶしゃぶのお店も様々なスタイルがあり、今日はどこで食べようかと選ぶのも楽しいです。コロナ禍の現状で不要不急の県外移動自粛中ですが、明けた際にはぜひ鹿児島にしゃぶしゃぶを食べに来て頂きたいものです。今はお店も大変な時期なので、お取り寄せ等でのお店の維持や売り上げに協力していければと思います。

水の都・三島

私の故郷の静岡県三島市は、富士山と箱根連山に挟まれたふもとであり、伊豆半島の付け根に位置しています。
ここは、源頼朝も深く崇拝したという三嶋大社の門前町として、また東海道五十三次の十一番目の宿場町として古くから栄え、今日では東海道新幹線三島駅や東名沼津・新東名長泉沼津ICなど、富士箱根伊豆国立公園への起点となる静岡県東部地域の交通の要所となっています。

市内は富士山の伏流水がいたるところで湧き出でていて、そのせせらぎが街中を流れ、「水の郷百選」にも選ばれた水の都でもあります。その富士山の伏流水の恩恵を受け、全国的にも有名なうなぎの老舗やお蕎麦屋さん、地元野菜を使ったお店など食事の美味しさは格別です。
また観光地では、先にも挙げた日本三大大社のひとつ三嶋大社や、世界文化遺産・富士山の雪解け水が湧く園内の景観と、自然林を生かした庭園が国の天然記念物に指定されている「楽寿園」が有名です。

さらに最近では日本最長400mの人道吊橋「三島スカイウォーク」も話題。富士山や駿河湾・伊豆の山並みを一望できる素晴らしい景色やフォレストアドベンチャーなどのアクティビティが楽しめる公園となっており、家族の良い思い出ができること間違いなしです。ぜひ一度足をお運びください。

谷瀬のつり橋

私の出身地・奈良県についてご紹介します。奈良といえば古都・大仏・鹿のイメージが強いと思いますが、今回は「秘境」について。

「可住地面積」という言葉はご存じでしょうか?簡単に言うと人が住める面積ですが、奈良県はこれが全国最下位なのです。地図で確認すると一目瞭然、奈良盆地以外は全て山です。特に県の面積の五割以上を占める吉野郡が可住地面積比六・六㌫と数字から見ても山間部であることが分かります。

しかしこのような環境でも人は逞しく生きていくもので、例えば吉野郡十津川村には「谷瀬のつり橋( 全長二九七㍍高さ五四㍍)」があります。

昭和二十年代までは川に丸木橋を架けて行き来していたのですが、洪水のたびに流されるので住民達でお金を出し合って吊り橋を造ったそうです。その額は現在価値で一戸平均五百万円ほど。自分達で作ったという思い入れもあり、今でも生活には欠かせない大切な橋として地元の人は日々徒歩や自転車で行き来しています。

奈良出身として皆さんにぜひ訪れて頂きたいと思っていますが、渡れる人数が一度に二十人以下と定められているので、地元住民の生活の邪魔にならないように気を付けて楽しんで頂けたらと思います。

牛久大仏

茨城県といえば皆さん、何を思い浮かべますか?やはり一番は納豆でしょうか。茨城で育った私も毎日といっていいほど納豆を食べますが、実は納豆以外にも茨城県には隠れた魅力がたくさんあります。

そのなかでも私のおすすめは、牛久大仏です。ブロンズ製の立ち姿の仏像としてはなんと世界最大の高さ120mで、ギネス世界記録にも登録されています。遠くからでも木々の間にひょっこり見える頭はとてもかわいいですが、近づくにつれ、あまりの大きさに圧倒されます。
大仏様のくるくるしている髪の毛を螺髪といいますが、一個の直径はなんと1m、200kgもの重さ、さらにその数は計480個。髪の毛だけで96tにもなるとは驚きです。
大仏様は胎内拝観といって胎内に入ることができ、さらにエレベーターで昇って地上八五㍍の展望室からの景色を楽しむこともできます。

大仏様の足下にはお花畑や小さい動物園もあり、花摘みや小動物にエサをあげての触れ合いもできますので、家族で楽しい時間が過ごせますよ。夏の時期にはライトアップや花火の打ち上げなど夜のイベントもありますので、茨城県にいらした際はぜひ牛久大仏に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

ミニチュア富士

私事ですが最近、本社近くの品川区北品川に引っ越しをしました。北品川は宿場町としての歴史だけでなく、かつては徳川家の鷹狩りの休息所「品川御殿」があり、桜の名所としても知られていました。昭和22年にはソニーが本社を置き「ソニー村」との異名もありました(現在は港区に移転)。

この北品川には、文治3年(1187年)創建の品川神社という神社があります。慶長五年(1600年)には徳川家康が関ヶ原の合戦に向かう際に参拝して、戦勝祈願をしたといいます。
境内には江戸七富士と呼ばれた七つの富士塚のうちの一つ「品川富士」が存在します。明治5年(1872年)頃に築造されたもので、比高15mという巨大な富士塚です。一合目から九合目までの標石も配されており、まさにミニチュア富士。しかも使われている岩はどのように運んだかは不明ですが、本物の富士山の溶岩という拘り様です(現代ならきっと岡三リビックの人工岩・ロッキーステージで再現していたことでしょう)。またここには「富士山遥(よう)拝(はい)所」という石碑があり、当時はこの北品川から本物の富士山が眺望出来たようです。軽装で気軽に登れるミニチュア富士、気分転換にいかがでしょうか?

※比高…盛土や崖などの高さと近くの平らなところとの差。

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